従業員U 生き物観察日記



中国山地のサンショウウオ

2022/7月

仕事で関西方面に行く機会があり、ついでにと中国山地でサンショウウオを探してきました。
中国山地にはハコネサンショウウオ、チュウゴクブチサンショウウオ、ヒダサンショウウオ、ヒバサンショウウオが生息しており、今回は三種を観察できました。




ヒバサンショウウオ、チュウゴクブチサンショウウオは中国山地を中心に生息しており、ヒダサンショウウオは西日本に広く分布しています。

岡山県東部で観察したため、ヒダサンショウウオが多くチュウゴクブチサンショウウオを見つけるのは一苦労でした。









上からヒバ、チュウゴクブチ、ヒダサンショウウオ


ヒバサンショウウオは元々、カスミサンショウウオ高地型と呼ばれていたものですが、元カスミ種群の中でも変わった生態をしています。カスミといえば低地の谷戸の水たまりなど人の生活に隣接した環境に多く生息しているといった印象かと思いますが、本種は源流部の水たまりや沢内でも流れの弱い場所に産卵します。
ヒダ、チュウゴクブチなどの流水種と同所的に幼生が見られることもありますが、産卵場所が限定されるため他2種に比べ局所的に生息する印象です。


幼生は黒っぽく目立つ模様が無いため同所的に生息する2種との識別は容易です。






ヒバサンショウウオ幼生


チュウゴクブチサンショウウオは中国山地から山口まで生息しており、ヒダサンショウウオとは生息環境が異なっているようでした。岡山西部ではヒダサンショウウオが多く、大きな沢ではヒダが出現し同所的には確認できませんでした。
産卵期もヒダサンショウウオより遅いため幼生期間の捕食等で同所的には生息できずヒダサンショウウオが生息できないような細い流れに生息するのだと思います。

ヒダサンショウウオとの識別点はヒダは爪を持ちチュウゴクブチは爪を持たない点です。
体系や模様もヒダサンショウウオは細く金属光沢のあるものが多く、並べてみると全く別物です。


チュウゴクブチサンショウウオ幼生

ヒダサンショウウオは元々、関東から山口まで本州に広く分布するとされていましたが、現在は関東を中心にヒガシヒダサンショウウオ、西日本にヒダサンショウウオと2種に分かれています。

関東を中心に生息するヒガシヒダは幼生で越冬する個体が多く、冬季でも幼生の観察は容易ですが、ヒダは産まれた年に上陸するものが多いようで冬季に確認することは難しいです。
地理的な違いも要因だと思われますが幼生期間など生態も異なっており、形態も幼生段階からヒガシヒダに比べ光沢があり、元々同種とされていただけに似てはいるのですが多くの違いがあります。







                                                                ヒダサンショウウオ幼生


関東では山地のサンショウウオはハコネサンショウウオとヒガシヒダサンショウウオに限定されてしまいますが、西日本に行くと伏流環境に産卵する種類がいたり、同じ山地に多くの種類が生息していたりと大変興味深いです。