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ヒダサンショウウオ 幼生
ヒダサンショウウオ
チュウゴクブチサンショウウオ
チュウゴクブチサンショウウオ、ヒバサンショウウオは中国山地を中心に生息し、

ヒダサンショウウオは西日本に広く生息しています。岡山県東部で観察したため、

ヒダは多くの沢で確認できましたがチュウゴクブチを見つけるのは一苦労でした。
ヒダは元々、関東から山口県まで本州に広く分布するとされていましたが現在は、

関東中心にヒガシヒダ、西日本にヒダと2種に分かれています。ヒガシヒダは幼生越

冬する個体が多く、冬季でも幼生の観察は容易ですが、ヒダは生まれた年に上陸す

る個体が多いようで、冬季に確認することは難しいです。それぞれ幼生は似ていま

すが生息環境等の地理的要因や、幼生期間など生態的な違いもあり、幼生段階で

サイズの違いや光沢感の有無など多くの違いがあります。
チュウゴクブチは中国山地から山口県まで生息しています。生息域が被るヒダとは

生息環境が異なっているようでした。観察地の岡山東部ではヒダが多く、ちょっと沢

を登れば見つかるのですが、同所的にチュウゴクブチは確認できませんでした。

今回の観察では、チュウゴクブチはヒダが生息できないような細流に生息する印象で

これは産卵期がヒダより遅いため幼生期間の捕食等で同所的には生息できずヒダ

が生息できないような細い流れに生き残ったためではないかと思われます。

ヒダとの識別点はヒダの幼生は爪を持ちチュウゴクブチは爪を持たない点です。

体系や模様もヒダは細く金属光沢のあるものが多く、並べてみると全く別物です。
チュウゴクブチサンショウウオ 幼生
ヒバサンショウウオ 幼生
ヒバサンショウウオ

ヒバは元々、カスミサンショウウオ高地型と呼ばれていたものですが、元カスミ種群

の中でも変わった生態をしています。カスミは低地の谷戸の水たまり等人の生活に

隣接した環境に多く生息しているといった印象ですが、ヒバは源流部の水たまりや

流れのほとんどない沢などに産卵します。ヒダ、チュウゴクブチなどの流水種と同所

的に幼生が見られることもありますが、産卵場所が限定されるため他2種に比べ局

所的に生息する印象です。

幼生は黒っぽく目立つ模様が無いため同所的に生息する2種との識別は容易です。
中国山地のサンショウウオ
2022/7月
上からヒバ、チュウゴクブチ、ヒダサンショウウオ 幼生
仕事で関西方面に行く機会があり、ついでにと中国山地でサンショウウオを探してきました。

中国山地にはハコネサンショウウオ、チュウゴクブチサンショウウオ、ヒダサンショウウオ、ヒバサンショウウオが生息して

おり、ハコネサンショウウオ以外の今回は三種を観察できました。

うっちーの生き物観察日記